正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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夏の疲れの解消法

高温多湿の日本の夏。身体への負担が大きいものです。9月になっても残暑は続きそう。疲れが残る人も多いようです。「夏の疲れ」といっても、原因によって対策は異なります。

なんだか身体がだるい、すっきりしないものがあります。原因のひとつは冷房による自律神経の異常です。冷房が強く効いた部屋や乗り物の中に長くいた後、暑い外に出る。これを繰り返した時、自律神経の異常をきたします。

自律神経は人間の体温調整をつかさどります。5℃以上の温度変化は身体にとって大きなダメージを与えます。体温を上げる働きと、体温を下げる働きのバランスがとれず、自律神経失調症と同様の症状が現れます。冷え、むくみ、疲労感、頭痛や肩こり、食欲不振などです。子どもやお年寄りがなりやすく、冷房の強いところで薄着の女性に多くみられます。

この対策には血行を良くすることが必要です。シャワーで済ませず、ぬるめのお湯でじっくり入浴することが大切です。また、軽く汗をかく程度の運動で血行がよくなります。

自律神経のダメージで食欲不振に陥ると、規則正しい食生活ができなかったり、栄養価の高い食事ができなかったりという問題が出てきます。暑くても温かいものをたべることです。食欲がわかないときは、野菜ジュースや酵素だけでも飲むようにすることが必要です。胃や腸に負担をかけずに済みますので、復活しやすいです。

睡眠不足になる方も多いです。我慢せず、寝る前は適温にしておくことです。頑張る、耐えるは身体にはよくありません。

他に、紫外線のダメージもあります。女性の場合は、日傘や帽子、日焼け止めクリームなど外側の防御はされていると思います。ですが、内側からも気をつけることが必要です。紫外線に当たることで発生する活性酸素。これが老化をすすめます。それを打ち消すのが抗酸化力です。ビタミンA、C、Eに加えポリフェノールを豊富に含むものが効果的です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」369号(2016年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。