正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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2月は「全国生活習慣病予防月間」です

今月は全国生活習慣病予防月間です。かつては「成人病」といわれていたものの多くは、実は大人に限るものではなく、若者であっても個人の不適切な生活習慣が病気を作り、悪化させているということで、「生活習慣病」と名前を変えました。1996年のことです。現在は、生活習慣病の改善と予防が大きな課題になっています。

生活習慣病には、高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病、高尿酸血症(痛風)、肥満症、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、脂肪肝、アルコール肝疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺がん、大腸がん、骨粗しょう症、フレイル、歯周病など。いやな名前が並びます。できれば、かかりたくない病気ですが、ひとつやふたつは、予備軍の心当たりがあるかもしれません。

このような生活習慣病の予防を目的に活動しているのが、日本生活習慣病予防協会です。この協会では、国民に生活習慣の大切さをわかりやすく示すためにと、健康標語「一無、二少、三多」が掲げられています。
ご存じですか。

はじめの一無とは「無煙・禁煙のすすめ」です。たばこの害はよく知られています。たばこの煙には多くの化学物質や有害物質が含まれています。その中の70種類以上には発がん性が確認されています。

次の二少は「少食・少酒のすすめ」です。食事は「腹八分目」は健康な状態を維持するうえで、重要なことです。予防や治療の基本は常に食生活にあります。食事療法という言葉があるほどです。お酒は少量をたしなむほどに。グラス1杯は問題ありません。ほどほどが大事です。

そして、三多は「多動・多休・多接のすすめ」です。日常生活の中で運動を多くし、しっかり休養を取り、多くの人や物事に接すること、生き生きした生活を続けることが大切です。座りっぱなしはよくないです。生活の中で体を動かす習慣をつけることです。その疲れは睡眠に限らず、仕事の合間の休憩も大切です。人とのつながりを大切に気分転換できると最高です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」470号(2025年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。