正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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春の体調管理

4月に入ってからも、ゴールデンウィークに突入してからも、まだまだ気温が安定しない感じがします。急激に暑くなったり、寒い気温に戻ったり。1年のうち、環境が最も激しく変わるのは、春への移行期です。環境の変化が大きい分、心身ともに影響を受けるというわけです。さらに、この数年の新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響を受け、私たちの生活は変わりました。みんながマスクをつけた生活であるために、花粉症の方は目立たなくなったかもしれませんが、くしゃみをするたびに、皆に振り返られることになっているかもしれません。これもなかなかのストレスです。

昨年、一昨年「コロナの時代」と言われているときに、進路を決めなければならない人たちが、春に新しい環境に適応するには、大変なことであったと思います。入社し、あるいは入学したとたんに、リモートワークやオンライン授業からスタートした人たちも少なくないと思います。今年、徐々に通勤・通学当たり前になっています。そうすると、連休明けには、5月病の人が増えるかもしれません。リモートが当たり前になっていた人には朝のラッシュは、大きなストレスと言えましょう。

無理をしないで手軽に春の体調を整えるポイントがあります。自律神経を整えることです。自律神経は私たちの体を良い状態にしてくれます。暑いときには汗をかいて体温を下げること、食事した時の消化も自律神経の働きです。自律神経が乱れると、だるさやいらいら、眠れないなんてことにつながります。

人は本来、日の出とともに起き、日の入りと共に寝る生き物です。体内時計の周期は24時間よりも少し長いため、少しずつずれていくのです。日照時間が長くなっていく春、体内時計がこの変化についていけません。ところが、日光を浴びると、体内時計がリセットされるのです。朝起きた時にはカーテンを開けて日光を浴びながら、軽くストレッチをする。かなり有効な手段です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」437号(2022年5月6日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。