正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

ヨガライフスクールインサッポロ 機関紙「未来」ウェブ

*

ライフスタイルをみなおす

年末、私の作業療法士としての大先輩のひとりを失いました。
60を手前にし、お酒も控え、たばこも吸わず、
時間があればジョギングするというスタイルの人でした。
そんな彼がジョギング中に倒れ、亡くなってしまった。
彼が健康的な生活をしていたかというと、決してそうではなかった。
要職のため多くの役割と責任を担い、激務でした。
そのため、人一倍身体に気をつけていた人でした。
長生きすればよいというものではありませんが、
健康であり続けるためには、ライフスタイルの影響は大きなものといえます。
かつて、成人病といわれていたものは、生活習慣病と改められています。
次のようなことにこころあたりはありませんか。

1.仕事や人間関係でストレスを感じることが多い
2.いつも睡眠不足を感じている
3.週に5日以上お酒(日本酒なら1合以上、ビールは大瓶1本以上)を飲む
4.たばこをよく吸う
5.趣味がない
6.地域活動などに参加していない
7.友人が少ない
8.不安を感じることが多い

このうち6つ以上あたる方は、要注意です。
体と心の両方に大きな負担がかかっている状態ではありませんか。
そんなときは、とにかく休養をしっかりとることです。
日常はなかなか時間がとれない場合は、上手に気分転換する方法を持ちましょう。
深呼吸し外をながめる、趣味に打ち込む、お買い物をする、家族や友人とおしゃべりする。
どんなこともでもいいので、自分流のストレス解消法をみつけることが大切です。
年齢と共にリスクも大きくなります。40代では、喫煙、ストレス、睡眠不足、
肥満や運動不足、食べ過ぎ・飲み過ぎがキーワードです。
50代は更年期、慢性疲労、筋力低下、うつ、自信の喪失、無気力が老化を促進させます。
60代になりますと、目の病気、歯の病気、睡眠障害などが、いっそう老いを自覚させます。
思いきって健康な生活を見直すことも大切です。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」206号(2003年2月5日発行)に掲載された記事です。

著者
村田 和香
群馬パース大学保健科学部
北海道大学名誉教授
保健学博士

略歴
札幌市内の老人病院に作業療法士として勤務。その時に、病気や障害を抱えた高齢者の強さと逞しさを実感。以後、人生のまとめの時である老年期を研究対象とし、作業療法の臨床実践、教育・研究のテーマとしている。