正しい食と適宜の運動、そして明るい心こそが真の健康を築きあげます。ここでは、機関紙「未来」に掲載されたコラムを発信してまいります。

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統合医療とは何だろうか? 第21回

     - 統合医療

それでは、同じ炭水化物の中で、GI値が低い食物は何でしょうか?
ここでは穀類、豆類、野菜と果物に分けて考えて見ましょう。

まず穀類でGI値が比較的低いのは、
米では玄米(55 )、※数字はGI値、以下同じ
パンではマフィン(62)やライ麦パン(65)です。
白米(88)やフランスパン(95)はGI値が高いので、
一度にたくさん食べるのはやめましょう。
パスタは比較的GI値が低いのですが、特に全粒粉スパゲッティ(37)や
フェットチーネ(32)が低く、リングィーネ(46)がやや高めです。
そのほか麺類では、うどん(85)が高く、そば(59)は比較的低めですので、
麺類を食べるならスパゲッティかそばがよろしいでしょう。
(ちなみに色の白い食べ物、たとえば白米、うどんなどは体を冷やしますので、
その意味からも体を温める濃い色の食べ物、たとえば黒々とした田舎そばなどは、
とても体によい炭水化物です。)
それから春雨(26)もGI値が低いので、お料理に使うにはよい素材です。
一方、豆類ではピーナッツ(14)、大豆(18)、インゲン豆(27)などが低く、
ソラマメ(79)は高めです。
そのほか、野菜や果物などでGI値が低いものを列挙すると、
サツマイモ(54)、とうもろこし(55)、バナナ(53)、オレンジ(43)、
もも(28)、グレープフルーツ(25)などです。

炭水化物のお話をしていると必ず質問されることですが、
「果物の糖分をとっていると太らないのか?」とよく聞かれます。
実は果物の糖質は果糖です。果糖は低GI値なのです。
そして果糖は大半が肝臓で中性脂肪に変換されますので、
血糖値の上昇にはつながりませんから、果物を食べて肥満を気にする必要はありません。
しかし、同じ甘いものでも清涼飲料水やスイーツ、アイスクリームなどの糖質は、
ブドウ糖が大量に含まれているものが多いのでカロリーが高く、インスリンの分泌をどんどん刺激します。
つまり、こういった物を大量に摂取していると、
肥満になるだけではなく、がんも誘発することになります。
「スイーツはべつばらよ」などと言って、食後にケーキやアイスクリームを
おいしそうに食べている若い女性がいらっしゃいますが、
将来糖尿病や膵臓がんになるかもしれませんので、気をつけましょう。


この記事はヨガライフスクールインサッポロ機関紙 「未来」321号(2012年9月5日発行)に掲載された記事です。

著者
小井戸 一光
癒しの森内科・消化器内科クリニック 院長

癒しの森内科・消化器内科クリニック

略歴
1977年、北海道大学医学部卒業。北大第3内科入局、臨床研修を受ける。

1982 年より自治医科大学放射線科で超音波を含む画像診断や、画像を用いておこなうがん治療(IVR)に従事。

1985年より札幌厚生病院消化器内科医長。消化器疾患の診断と内視鏡・IVR治療をおこなう。

1996年より札幌医科大学放射線科助手。消化器疾患の画像診断、がんの非手術的治療の研究に従事。1999年講師、2007年准教授。この間、イギリス王立マースデン病院、ドイツアーヘン大学、カナダカルガリー大学に出向。

認定資格
日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会専門医、日本内視鏡学会専門医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本超音波学会専門医・指導医、医学博士